2014年7月8日火曜日

やっとわかった「ブンブン」の作り方

野菜がゾックムン 写真はWIKI
私、勉強のために、戦前ハノイで書かれた「ハノイ36通り」というエッセイをみんなで訳しているのですが、この中に出てきて、訳すのに、細かい所の決め手のなかった「ブンブン」という、ビーフンの汁麵でカレー味の料理の作り方が、ほぼわかりましたので、報告します。
肩の荷が下りてほっとしました。

なお、この中に出てくる「蓮芋」
日本でも沖縄や四国や九州で作っていて
デパートの野菜売り場などで買うことができます。

タックラム作「ハノイ36通り」より

 私がブン料理について述べた記事に終止符を打とうとしていた時、ある婦人-まちがいないある美食家-が来てこう責めた。「あなたはブン料理についておっしゃっているのに、ブンブン〔カレー味のブン〕※について述べるのを無視しているのは、全く不公平です。ブンブンはとても美味しい上に、とてもベトナムらしいクァーですから。」
 私は同感を表明し、急いでこの欠けている場所を補うことにする。ブン好きのご婦人方の心を裏切らないために、また、朝早くから熱いブンの鍋を担いで街を売り歩く、女性たちの働きを裏切らないために。
 私は今でもはっきりと舌の上に思いだす。ゾックソンハ〔蓮芋の茎〕の数切れの、軽く身震いするようなしびれや、少しむずがゆく強い甘さを。この野菜はなんとブンと合うのだろう!まるでブンを作るために天が生み出したかのようだ。そして穏やかな調和はここになければない。1つの文学作品の中も、上手に煮られるブンの鍋の中のようだ。 
 ゾックムン(ソンハ)は元来は芋に似ているが、葉は大きく、球根は小さくて卵のように丸く、茹でて食べても美味しい。茎は皮をむいて刻み、とろとろになるまで丁寧に煮る。あばら肉を数切れ、おいしい煮汁を作るために。ウコンを少し、夏の日の夕焼けの黄金色に染めるために。更にいくつかの赤いトマト、宝石のようにつやつやと澄んだ色の四角に切ったパパイヤを二、三切れを加える。ブンチャンバット(ブンの種類 白い)の麺を入れるその段階は、まるで遠くへだたった食材をつなげる紐帯(ちゅうたい)のように、人類の美食が瞬時に近づく。というわけで、ブンの碗は、音楽作品の音色のように、どれだけたくさんの味が混ざりあっているかわからない。もし貴殿がもっと辛いのを好まれるなら、唐辛子※を数切れで、インドの地の珍しい味の深い色あいと、強烈な熱さを十分に得られるだろう。

※ブンブン〔カレー味のブン〕 Bún bung bungは大きな鍋、とろ火で煮るの意味
※ゾックソンハ(ゾックムン、ソンハ) dọc sơn hà Cây sơn hà (cây mùng) 蓮芋の茎(蓮芋)
※ウコン Nghệ ベトナム料理で多く使う
※ブンバット Bún vắt ブンの種類
※オッチーティエン Ớt chỉ thiên 小さくて辛みが強い唐辛子

*この翻訳の著作権は筆者に属します。引用の際は引用元を明記してください。

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