(1)ハノイのバインクオン
戦前の作家タックラムのエッセイ「ハノイ36通り」にも出てくる「バインクオン」という料理があります。タックラムによると、米粉をクレープ状に蒸して、中に挽肉などを巻いて、タレをつけて食べる料理です。
日本のベトナムレストランでも、「バインクオン」「蒸し春巻き」というメニューになっています。
(2)バインクオン タインチ
ところが、私がハノイの文廟のそばの店で「Bánh cuốn」の文字にひかれて注文すると、4cm角のゆでたライスペーパーをたれと野菜であえる料理でした。ぜんぜんcuốn(巻く)になっていません。
最近精進料理(アンチャイ)として作ってもらったバインクオンチャイも、シイタケのタレでライスペーパーをあえた物です。
(3)生バインクオン
中には、ライスペーパーを具を入れずに巻いた物を5センチくらいの長さに切って、スープ麺として食べる物もあるようです。きっと米粉を蒸して生でつくると、巻いて切るのが切りやすいからでしょうね。
(4)バインクオンは素麺の祖先だった!
バインの意味は「餅」。そして日本の素麺の祖先も「索餅(さくべい)」※という小麦粉と米粉をねって、平らにした物だそうです。つまりバインクオンは麵の昔からの食べ方なんですね。
ですからシイタケのバインクオンチャイも日本のシイタケ素麺(素は中国語で精進料理)も、きょうだいみたいな訳です。やっとわかってほっとしましたわ。
※2011,小林尚人,「不可解な索餅(さくべい)の成り立ち」
写真上2つはWIKI
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